運動会に向けて、全校入場行進練習が、朝の休み時間を使って行われることになる。
児童会長と運動会委員長で指示を仰ぎ、音楽を流し、一斉に左足から、いち・に・さん・し・・・・・

笛の合図で、"ピー・ピッ"一・二・三・で止まる。直美は、練習の足並みが揃うことが凄くて、練習が、楽しみの一つになっていく。

そして、「全校あいさつ週間」が、はじまる。あいさつ週間とは、校門の前で、教員が立ち、挨拶をす

るという、ものである。直美はなかなか、言えず、頭を下げるのが精いっぱいだった。が、

ある日、クラスメイトの登校班と、同じになり一緒に、「せーの、おはようございます。」と、補助し

てくれた久美子ちゃんに、素敵さを感じるのである。
体育の時間は、50メートル競走の練習をした。いつもビリ。だから体育は嫌いだった。

"1番がいるから、2番がいる"と心の中で言い聞かせながら、過ごす。
応援合戦の練習も、加わり、毎日授業、練習で、疲れていたが、充実していた。そして、学校の時間
を「自分の居場所」として、無意識に感じ取り、のちには、心の支えの一つになっていくのである。



帰宅した直美は、応援合戦の練習やあいさつ運動のことを、懸命に母に話すが、突っ放されてしまい、

心は沈むが、そんな思いをしていることなど、母(純子)は、知る事はない。

どんどん、運動会の日が近づくある日の出来事であった。
運動会の前日、自分の教室の椅子を観客席に用意する準備をした。いよいよ運動会直美は、とても楽し
みにしている。


そして、あっという間に運動会の当日になり、天候は、晴天。
水筒、弁当、赤白帽子、プログラムを持ちいつもと同じように登校する。
運動場に、集合し、開会の言葉に始まり入場行進、ラジオ体操(準備体操)、3学年綱引きから、はじまっ
た。プログラムは進む、次は「一学年による50メートル競走」で準備でならぶ。4人ずつ走る。
いよいよ直美が、走る。「よーい、パァーン」と、ピストルの合図でスタート
全力で走り、4位でした。しおりをもらい、並び、競技終わりまで待ち、退場。


プログラムは、進み昼食になり、町内ごとに分かれて、食べる。唯一の母との交流の時間、家とは違う
姿だった。母はどんな気持ちなんだろうと、疑う直美の心がそこにあるのである。

「もっとがんばらなあかんやろ、最後かー」
と、言われ、心が凍るほど、せつなく虚しい、時間がとても長く感じる直美だ。親子交流のフォークダンスを挟み、午後のプログラムが開始される。

4年生、綱引きからはじまった。応援合戦、各種リレー、1年生による玉入れ。
両手に玉を持ち、
「よーい パァーン」
懸命に入れる。何回も拾っていれる。制限時間は、1分。

二回戦、・・・・・・「パァーン」
で、終了。

そして、ラストプログラム組対抗リレーで終了。懸命に応援、バトンを落としそうになったり、
転びそうになったりハラハラドキドキの運動会、直美も真剣に応援する。応援団長は、とっても、かっ
こよく感じていた。団をまとめる、代表。素敵・憧れ。主張が許されない、直美にとっては、神の存在。


15:00運動会終了し、閉会式を、終え、椅子の片づけ、運動会の道具などは、高学年が処理し、低学年
は、教室に入り、帰りの会をする。運動会参加賞として、各学年で使用できるノートが配布された。これは、学校からできなく、『町』からの贈呈だ。15ミリノートを、貰い、登校班で、下校した。宿題は、運動会の作文だ。



月曜日は、振り替え休日で、火曜日から通常の学校生活が始まる。